Noche en Cuba ★キューバの夜

Orquesta Del CeroとCubaのことを、あれやこれや書いてみます

Cubaの歌姫 来日

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Cubaの歌姫、Omara Portuondoが来日。

 

昨年行ったCubaで、ブエナビスタやアフロキューバンオールスターズを偶然聴けたのだが、そのステージにオマーラは出演していなかった。

もしかしたら今回みたいに他国のツアーに行っていたのだろうか。

Cuba在住の方のブログでは、オマーラは日ごろ、地元のライブで活躍しているとのことだったので、次回Cubaに行った時には、是非!!!と、思っていたところに、オマーラが来日してくれた。

 

3/18と20の両日、都内で公演だったので、20日の公演を予約。

オマーラ・ポルトゥオンド(ヴォーカル)

ロランド・ルナ(ピアノ)

ロドニー・バレット(ドラムス)

ガストン・ホヤ・パレリャーダ(ベース)

アンドレス・コアヨ(パーカッション)  というメンバーだ。

 

18日は昨年秋チューチョ・ルカルカバを聴いたブルーノートで14500円と、ちょっと庶民にはお高め、ロランドルナも出演しないし。。。

20日は六本木EXシアターで、シートが12000円、スタンディングで10000円、年寄りは、やっぱここは椅子でしょう!とシート席を購入。どっこいしょだ。

ネット購入だったけれど、席はど真ん中、ステージ真正面の比較的良い位置だった。

上から見下ろすと、スタンディングは超満員の芋洗い状態。

ゆったり座れて、正解だった。ビール片手にご満悦^^

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開演20:00少し回って、ドラム、ベース等メンバーが、暗闇の中に登場、続いて

舞台に照明が点き、ピアニストのローランド・ルナにエスコートされた小さなオマーラが登場。衣装は、ターバンもドレスも、わぉ、全身ピンクだ。

ななななんて可愛い。

バックの男性陣が大きいのか(特にベーシスト)、初めてお目にかかるオマーラは小さかった。

私の中では、過去の映像、数々の業績から、その存在感は大きく、とてもビッグな人をイメージしていたので、小柄でピンクの衣装の彼女が以外だった。

が、一度、歌声を発すれば、そんな第一印象は一瞬に吹っ飛ぶ。

齢87という高齢、長旅をしてきたなんて微塵も見せないその歌声。

まず、全く歳を感じさせない。伸びやかで、艶のある、柔らかで美しい歌声。

老人にありがちな、しゃがれた声ではない。現役のプリマドンナのようだ。

歳をとった頃のセリアクルスの声をはじめて聞いた人はみんな、男声かと思った、と驚く。(セリアクルスはそこがイイのだ)

オマーラは昔と変わらない美しい声と愛に溢れる歌い方、しかも今回は古いスタイルではなく、かなりアレンジもJazz寄りで、そのフィーリングにもしっかり乗せている。

1曲目はステージ中央に置かれた椅子に座って歌ったが、それ以降はピアノの傍らで、歌い、時にはダンスの仕草、スカートを翻したり、仰け反ってリズムを取ったり・・・それがまた、激かわいい!!!

ロランドのピアノの椅子に二人で座ったりもして、お茶目で、それもかわいい。

演奏は休憩を挟むかと思われたが、ずーっと続行され、中盤、インストで「アルメンドラ」が長めに演奏された時は、また椅子に座ってメンバーの演奏を聴き、観客に各々の拍手を促したりしていた。

ステージが始まって終了までの1時間半、1曲目と、このインスト曲以外は全て立って歌ったという、その体力にも驚かされる。87歳のこの小さな身体の、どこにそんなパワーがどこにあるのだろう!

 

今回の第2の主役ロランド・ルナは自由奔放(いい意味で)鍵盤の上を飛び回る、ベースは深みのある力強い音で、何度となく熱いプレイを披露してくれた。ドラムは、一番若そうに見えたが、派手なことはせず、的確にポイントを締めていた。そしてパーカッション、コンガとティンバレスの周りに様々な小物を配し、そのチョイスは憎いほど心地よい空間を造ってくれた。

 1曲だけ奥山勝氏がピアノを弾いた。私は始めて聴くピアニストだったが、ルナの美しさは、遠いカリブ海の明るいさざなみの光、とするならば、まさるさん(オマーラはこう呼んでいた)の音は、宇宙からの降ってくる光のようで神秘的だった。

 

公演メニューの中には、古きよき時代を髣髴させる(観客を喜ばせる)曲が数多くあったが、特に「Silencio」のイントロのベースが始まったとたん、うぁっ!っと 感無量で涙が出てきた。これを聴くと、いつも、イブライム・フェレールとのデュエットの場面が脳裏に投影される。ぐるぐる回る。。。涙無くしては聴けないのだ。

日本に居ながら、生でSilencioを聴けるなんて! なんという幸せだろう! 

オマーラ、本当に遠い所を来てくれてありがとう!

今も健在で現役でいてくれてありがとう!

あなたの歌声、歌の心は、神が遣わしたもの、これからも多くの人々に与えてください。

 

最後まで、鳴り止まぬ拍手に応えて、またルナに支えられて顔を見せてくれて、ありがとう。

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割れんばかりの拍手の中、私の隣に座っていたご高齢の御婦人が、「もういい歳なんだから勘弁してあげてよ」と笑っていた。

本当だ。。。もちろんアンコールは聴きたい、でも、お疲れ様!ありがとう!の拍手も多かったのではないだろうか。

 

次はキューバで会いたいなぁ。 オマーラ待っててねー。